虎柄の毛布

 1DK一人暮らしの我が家に30年オーバーモノの骨董品のような毛布があり、ガサガサとした触感が夏に丁度良く夏用の掛け布団として使っている。「一休さん」のような虎がどーんとプリントされた毛布で、父方祖母の遺品である。幼少期の兄の入院で私は主に父方祖母に育てられたので私の寝かしつけに使われていた毛布でもある。いつ頃から実家にあったのかは知らないが、実家で祖母が使っていたのを2016年の葬儀のときにこれは捨てられてしまうだろうな、と思いこっそりと当時住んでいたさいたまのアパートまで持ち出してきた。以降毛布は私のものだ。

 飼っているハムスターの散歩時に端っこをかじられたりなど、遺品としての大切な扱いはしていないが6年かけて段々なくてはならない存在になってきた。

 実用品を見ていちいち祖母のことを思い出したりはしないのだが、これが時々安心毛布になったりする。本当に気分が落ちているとき、過去だれかが自分をこの毛布でくるんで大事にしてくれた過去があったからこそ今自分がここに立っていられるくらいには思うのだ。劣化していくものを安全地帯にするのはどうかとも思うのだが、今はこの毛布が私のメンタルを保っている。